ネパール はやわかり - 旅ガイド -
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 ネパールは、世界最大の垂直構造をもつ国であり、低地から高地へむかって、亜熱帯から温帯・寒帯・氷雪帯までが分布し、その自然環境とそこにくらす人々の多様性は世界でもっとも大きい。この多様な世界をてっとりばやくみるには、以下の7カ所へいくのがよい。この7カ所を順次おとずれることにより、ネパールの多様性のほぼ80パーセントをみることができ、実に様々な自然と人々にであうことができる。このようなネパールの多様性をしることは、地球の多様性を理解することにもつながってくる。


バクタプール

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 1.<ネワールの都市国家>カトマンドゥ

 カトマンドゥは、ネパール王国の首都である。みるべきものが非常に多いが、ここでは「都市国家」ということを強調したい。都市国家は人類の歴史において、領土国家の時代をむかえる以前の段階であり、文明発展の中間段階をしめす。

 かつては、ユーラシア大陸の各地に都市国家が存在したが、そのすべてがほろび遺跡になっている中で、ここカトマンドゥは、都市国家の面影がいまなお色濃くのこる世界で唯一の場所である。その意味で、カトマンドゥは人類の遺産であり、文明の歴史・人類の歴史をかんがえる上でさけては通れない地域である。

 都市国家をみるためにはバクタプールをはずすことはできないが、もし時間がゆるすならパタンを是非おとずれていただきたい。そこを路地裏までゆっくりとあるけば、まるで中世にタイムスリップしたようであり、しかもそこは決して観光地ではなく、人々が今なお実際にくらしている空間なのである。

サンセット

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 2.<亜熱帯の自然>チトワン国立公園

 チトワン国立公園は、ネパールの南部低地タライにある自然保護区である。ネパールというと雪と氷の寒い世界だとおもわれがちだが、南部の低地は亜熱帯であり、とても暑い。

 ここへは、首都カトマンドゥから直行のツーリストバスがでている。パッケージツアーなどもあるが、観光地であるのでホテルも多く、いきなり一人でいっても大丈夫である。

 現地では、専門のガイドとともに、カヌーにのり、ジャングルをあるく。またゾウにものれる。様々な鳥のほかにワニやサイをみることもできる。運がよければ、エレファント・センターでコゾウにもあえる。天気がよければ、ここからでもヒマラヤ山脈の峰峰をはるかかなたにのぞむことができる。ラプティ川にしずむ夕日はとてもうつくしい。

シャカ生誕の場所

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 3.<シャカ生誕の地>ルンビニ

 ルンビニは、仏教の開祖シャカ生誕の地である。

 ここへは、ちかくのバイラワまでバスか飛行機でいき、そこからローカルバスかタクシーでいく。カトマンドゥからのツアーもある。高級ホテルもあるが、まちの安宿にとまれば周囲の素朴な雰囲気を味わうことができる。

 シャカが誕生したといわれる寺院の発掘が近年おこなわれ、その付近を見学することができる。博物館や図書館もあり、たのめば、一般公開されていない資料も係りの人のつきそい解説つきでみせてもらうことができる。

 現在ルンビニは、仏教の原点としてみなおされ、仏教の一大センターとして再開発がすすんでいる。各国の仏教寺がたちならび、宗派をこえて祈りがつづけられている。この地にたてば、古代インドの悠久の歴史と、ここから中国をへてとおく日本にまでつたわったシャカの教えの大きさにおもいをはせることができる。

中央の山岳斜面にまちがひろがる

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 4.<山岳の衛星都市>タンセン

 タンセンは、カトマンドゥにすむネワール族がつくった衛星都市のひとつである。それは、カトマンドゥの都市国家をそのまま模したつくりになっており、衛星都市の中でタンセンはもっとも大きいまちであろう。

 ここへは、カトマンドゥのニューバスパークからネパール人用の直行バスがでている。所要時間は約10時間。また、ルンビニからいく場合は、まず、ちかくのバイラワまでバスでいき、そこから北のブトワールまでバスでいくと、そこからタンセンいきのローカルバスがでている。高級ホテルはないが、バスパークのちかくに安宿が何件もあり、予約がなくてもすぐにとまれる。

 ここは、山岳の斜面に発達した、都市国家のミニチュアのようなまちであり、繁栄をほこったネワール族の歴史におもいをはせることができる。また、温帯気候ですごしやすいネパールの山岳斜面にくらす人々の様子を直接みることができる。観光客がほとんどいないことも特別な異体験をあたえてくれる。すこしあるいて山の頂上までいけば、ポカラのむこうのアンナプルナヒマールの白い峰峰をみることもできる。

フェワ湖とマチャプチャレ

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 5.<アジアの楽園>ポカラ

 ポカラは、リゾート地であり、マチャプチャレ(標高6993m)をシンボルにする風光明媚な観光地である。白銀のヒマラヤ山脈を目前にみることができる。

 カトマンドゥから、ツーリストバスや飛行機が多数でている。タンセンに宿泊した場合は、早朝のポカラ行きのローカルバスにのる。所要時間は7〜8時間。

 一般的には、レークサイドに宿泊してゆったりとすごすのがよいが、是非、オールドバザールとニューバザールもみていただきたい。ここポカラは、急速に開発されていくネパールの現実をおしえてくれる。時間があれば、サランコットやフェワ湖対岸のピークまでのぼり、絶景をたのしむとよい。

カリガンダキ川
(はるかチベットの世界へとつづく)

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 6.<ヒマラヤの断面>カリガンダキ川

 カリガンダキ川は、ヒマラヤ山脈を南北にふかくきざみこむ大河である。ここをあるけばヒマラヤの断面をみることができる。その地層は、人間のスケールをはるかにこえて大きく褶曲している。

 この川の流域にあるジョムソンへはポカラから飛行機がでている。ジョムソンには観光客用のロッジが多数ある。しかし時間があれば、ポカラからバスあるいはタクシーでベニまでいき、そこからトレッキングをするのがよい。流域にくらす人々は、下流から、チェットリ族・マガール族・タカリー族・チベット系民族へとうつりかわり、温帯のヒマラヤ中間山地から亜寒帯のチベット的世界への変化を味わうことができる。

 ジョムソンから北側は、チベット的世界であり、それまでの緑豊かな世界から一変、荒涼とした世界がひろがっていく。ヒマラヤのふところ奥深くに入っていく感じである。

ヒンドゥー寺院

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 7.<天にもっともちかい聖地>ムクティナート 

 ムクティナートは、標高約3800m。ここまでいくには、ジョムソンからトレッキングをしなければならない。観光客用のロッジは多数ある。

 ここはヒマラヤのふところ、奥座敷といった感じであり、神々の座ヒマラヤの神秘性を体験をすることがきる。ヒンドゥー教と仏教の寺院があり、ヒンドゥー教と仏教とが混在しているネパールの文化をここでもみることができる。とおくインドからも巡礼におとずれる人がたくさんいるという。氷河も比較的間近にみることができる。


 上にしめした地域のうち、亜熱帯に属す地域は「チトワン国立公園」と「ルンビニ」である。温帯に属す地域は「カトマンドゥ」と「タンセン」・「カリガンダキ川中流域」である。寒帯〜雪氷帯に属す地域は「ムクティナート」である。

 また「カリガンダキ川」では、温帯から寒帯そして雪氷帯へのうつりかわりをみることができる。比較的せまい範囲で、これだけのダイナミックな変化を順次みられる地域はネパールをおいてほかにはない。

 これらの地域では、これらの自然環境とともに、その自然環境に適応したそれぞれの民族、そして、彼らのくらしぶりや文化をみることができる。地域ごとの独特なくらしぶりや文化は、それぞれの自然環境とその中にいる人間との相互作用によって形成されたということもよくわかる。

 「文明の歴史」という観点では、カトマンドゥでは都市国家をみることができ、ルンビニではインド文明について考察をすることができる。

 「宗教の観点」では、ルンビニでは仏教、カトマンドゥとムクティナートでは仏教とヒンドゥー教、そして両者が融合した姿をみることができる。カリガンダキ川では中流から上流にかけて、ヒンドゥー教からチベット仏教へのうつりかわりをみることができる。

 「観光の観点」では、カトマンドゥとポカラでネパール観光の二つの目玉をみることができ、文化と自然という観光の二側面を体験することができる。

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2003年9月15日発行
(C) 2003 田野倉達弘