II.ネットづくり

 「多角評価」にひきつづき「ネットづくり」に入る。ネットづくりでは、「多角評価」の結果や評者からのコメント、あらたにおもいついたことなどの要点を、グループ・ディスカッションをしながら各自でラベルに書きだし「ネット図解」を作成する。これにより、「多角評価」の結果を要約し、あらたな提言もくわえながら非常にわかりやすく評価結果を表現することができ、情報の共有も可能になる。具体的な進め方は以下の通りである。

図3−1 ネットづくりの手順

  • 模造紙・ラベル・クリップ・ペンを用意する。
  • 模造紙の中心にテーマを記入する。たとえば「終了時事業評価」などと書く。
  • まず一つの事業(あるいは分野)をとりあげ、「多角評価」の結果を担当者が発表・解説する。
  • チーム内で、質疑応答と議論をおこなう。
  • その事業についての評価結果の要点を各自で単文にしてラベルに記入する(ラベルづくり)。コメントやあらたに気がついたことや意見も記入する。1枚のラベルには一つの志をもつように一文でつづる。これは定性的評価である。
  • 記入されたラベルを模造紙上に空間配置する(ラベルの空間配置)。中心から周辺へむけて放射状に配置する。意味の似ているラベルや関連のつよいラベル同士はそばにおき、クリップでつなぐ。
  • 一つの事業(分野)についてラベルがでつくし、空間配置がおわったら1サイクルがおわりである。
  • つづいて2サイクル目に入り、次の事業(分野)についての評価結果を担当者に発表・解説してもらう。
  • 以下同様なことをくりかえし、すべての事業(分野)についての定性的評価をラベルに記入し模造紙上に配置する。
  • 模造紙1枚に入りきらないときは何枚にもわたってよい。
  • すべての事業(分野)についての定性的評価がおわったら、最後に、全体を通しての評価や意見をチーム内で議論し、各自の評価や意見をラベルに記入し空間配置する。
  • ラベルがでつくしたら、ラベルを模造紙上に貼り付け固定する。
  • 意味のまとまりごとに黒色のマジックペンでかこう(島取りをする)。
  • 各島に、見出しを赤色のマジックペンで記入し、「ネット図解」を完成させる。
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2005年9月19日発行
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