I.評価方法の概要

 本論で提唱する評価方法は「多角衆目評価法」であり、それは「多角評価」→「ネットづくり」→「衆目評価」という仕組みになっている(図1−1)。評価の実施にあたっては、事業評価の中核となる評価チームを結成し、グループワークにより評価作業をすすめていく。

図1-1 多角衆目評価法

 「多角評価」は、「計画書・報告書のレビュー」「現地調査」「評価シート作成」の3場面からなり、「衆目評価」は、「多段評価」「グループKJ法」「評価図解作成」の3場面からなる。
 前者の「多角評価」は、妥当性・有効性・効率性・インパクト・自立発展性・住民参加の6項目の視点・基準にもとづく事業別(分野別)評価であり、これにより多角的な観点、様々な基準によりそれぞれの事業(分野)を全体的に評価することができる。これに対して後者の「衆目評価」は多くの人々による構造的な評価であり、これにより「多様な目」による評価が可能になる。
 「多角評価」にくわえて「衆目評価」を実施することにより、各事業を横断した総合的な評価が可能になるとともに、もれおちる観点がなくなり、より客観的な評価ができる。しかも、定性的にだけでなく定量的にも評価できる。これら2つの評価方法は、事業評価の「車の両輪」として機能する。
 評価結果は、報告書にまとめるとともに、評価報告会を開催して発表(アウトプット)し、活動地域(現場)の関係者にフィードバックする。結果は、あらたな事業計画を立案するために活用する。

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2005年9月19日発行
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