点メモ法とその歴史

京都府網野町・網野駅

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点メモ

点メモ花火

情報処理技術としての「点メモ法」

 


2003年9月27日発行/2003年12月23日更新

 

 点メモ

 「点メモ」とは、KJ法創始者の川喜田二郎先生が開発・命名した取材記録の技術である。

 「点メモ」については、たとえば、1986年発行の『KJ法 - 渾沌をして語らしめる』(川喜田二郎著、中央公論社)の中の「・ 取材の方法」においてくわしく解説されており、「点メモ」とは、点々の簡略化した記録であり、たった一字でも、単語でも、点々たる書きつらね、記号、略号でもよく、ハッと気づいたときに、すぐ点メモするのが修行の根本であるとされている(同書p.245-250)。

 そして、この点メモから、「清書ラベル化」、「探検ネット」、「データカード」、「データバンク」、「多段ピックアップ」をへて、「KJ法」へつなげていく。この取材技術は「タッチネッティング」として体系化されている。

 私は、1987年から1989年にかけて、「KJ法研修コース」と「移動大学」に参加してこの技術を習得した。

 

 点メモ花火

 そしてその後、この「点メモ」を発展させた「点メモ花火」という技術が開発された。「点メモ花火」は、1993年発行の『創造と伝統』(川喜田二郎著、祥伝社)の「取材と選択のノウハウ」の中の、「点メモという強力な武器」(p.276-280)において解説されており、点メモは、略語だけでは忘れやすいが、点線とか直線で結んだり、簡単な絵や図形を入れて構造的にしておくと、文字だけよりもずっと記憶を長持ちさせることができるとされている。具体的には、ノートの中心にテーマを記入し、そこから周辺へ放射状に、「打ち上げ花火」のように点メモをつらねていき、最後には、意味のまとまりごとに「島取り」をする。

 1994年私は、KJ法本部・川喜田研究所に入社し、この「点メモ花火」の実践をはじめる。

 

 情報処理技術としての「点メモ法」

 1995年、KJ法本部・川喜田研究所はマッキントッシュ(アップル社)を導入し、すべての業務をパソコンをつかっておこなうようになる。

 これにともない、従来の紙の「データカード」とそのファイルはすべてパソコンに移行した。それとともに、パソコンを活用した情報処理という観点が重要になり、その場での記録は紙のノートに「点メモ」で、その後の作業はパソコンでというスタイルに変化、同時に、情報処理の高速化がもとめられるようになってくる。

 1996年、私はこのような観点から、取材技術から発展させた情報処理技術としての「点メモ」の重要性に気づき、点メモから短時間で一気に文章化までもっていくやり方を実践しはじめる。

 

点メモから文章化へ

 

 従来点メモは、取材の体系の中に位置づけられていたが、それにとらわれずに、問題解決あるいは情報処理の技術として、「点メモ」→「図解化」→「文章化」をこのとき独立させた。この過程では、紙のノートとパソコンとの効率的なコンビネーションが重視される。 

 同年、川喜田研究所主催KJ法研修コースの中に「日常情報活用コース」をあらたに開講し、私がこの技術の指導をはじめる。

 1998年私は、それまでの実践と成果をふまえ、岩手県立大学ソフトウェア情報学部の集中講義「発想学」においてこの技術を指導し、また、第22回KJ法学会において「メモの技法」と題して発表する。

 「点メモ」を中核技術にして、取材から文章化までを短時間で一気におこなうこのような方法をここでは簡略に「点メモ法」とよんでおく。つけくわえるならば、個人やチームが主体になっておこなう情報処理において、取材とは「入力」に相当し、文章化とは「出力」に相当する。

 

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